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本サイトの目的と役割
本ホームページは、2019年度厚生労働省科学研究費補助金によって実施されております「がん患者等の遺族の精神心理的負担の軽減に資する研究」の一環として作成されたものです。
がんはわが国の死因の第一位であり、毎年約100万人の方が罹患する最大の健康問題ですが、これを「家族」という視点からみてみますと、何百万人という人々が患者さんを心身両面から支え、患者さんの死亡後は遺族という立場で死別の苦痛を経験していることが知られています。がんの患者さんのご家族・ご遺族はその負担の大きさから「第2の患者」とも呼ばれ、適切なサポートが必要であることが強調されてきています。中でも愛する人との死別によって悲しみを経験することは、人にとってごく自然で普遍的なこころの動きでもあります。多くの場合、正常のプロセスであっても、ご遺族は年余にわたる時間を経過してようやく患者さんの死を受け容れ、新しい生活に適応していくと考えられています。
一方、わが国では、ご家族、ご遺族にどのような支援が適切なのかという知見に乏しく、また実際に十分な支援が提供されておりません。本研究では、がん医療のより一層の充実を推進するために、がんの患者さんのご家族や愛する人の死別を経験した方に対する効果的な精神心理的支援法を開発することを目的としております。その一環として、ご家族やご遺族の精神心理的負担軽減に少しでも役立てていただけることを願って、本ホームぺージを開設いたしました。
まず最初に、著名ながん研究者であり、ご自身ががんを経験されたのみならず、奥様をがんで亡くされた国立がん研究センター名誉総長の垣添忠生先生に、ご遺族としての体験を語っていただきました。垣添先生がご経験された深い苦しみとそこから回復されていかれる過程を具体的に語ってくださっています。ぜひ一度ご覧ください。
これから徐々にコンテンツを充実させる予定ですので、お知り合いの方などにもぜひお伝えいただければ幸いです。
主任研究者 名古屋市立大学大学院医学研究科
精神・認知・行動医学分野 教授 明智龍男